ラジオコーナーの質問回答-高額療養費制度について-

こんにちは。
FPソライチです。

実は佐賀の方でラジオコーナーをさせて頂いてます。
30分のコーナーですが、有難いことに毎回4〜5通ほどのリスナーさんからのご質問を頂きます。
なるべくコーナー内で紹介と回答できるようにと、パーソナリティの方がいつも上手に進行して頂けるのですが、どうしても情報が濃かったり、難しい内容だったりすると時間がかかってしまいます。

そこで!紹介できなかったリスナーさんからの質問などは今後、ブログ内でも出来る限り回答できればと思います!

4/10(金)ラジオ放送分
【テーマ】今だから知っておきたい国の制度について

●ラジオネーム
モモちゃんママさん

Q.家族も高齢になり万が一大病をしたときに備えはしていたとしても、やはり医療費が気になります。
高額療養費請求ができると聞いていたのですが、簡単にどのような内容なのか、またどのように請求するのか教えて頂けると幸いです。

A.日本には「高額療養費制度」という制度がありますので実はそこまでお金がかからないのです!

高額療養費制度とは?

病気やケガで医療機関にかかるとき、健康保険証を提示すれば原則として自己負担額が3割(小学生から70歳未満の場合)です。
しかし、もしもケガや病気で大きく医療費がかかり、支払いが数十万円〜数百万円のような高額な医療費がかかったときでも上限を設けて負担を抑えてくれる制度です。

実際にシミュレーションをしてみる!

高額療養費制度について、より具体的にイメージを持っていただくために、実際にシミュレーションをしてみましょう!

医療費が総額100万かかってしまった
(*69歳以下の年収約370万円~約770万円の方の場合)

まず医療費100万円のうち、すべてが自己負担になるわけではなく、
医療費の自己負担割合が決まっており、その分だけ個人で支払えば良いことになります。
69歳以下の方は収入に関係なく一律3割負担(6歳未満は2割)
よって、この時点で

自己負担額=100万円×30%=30万円

更にここから高額療養費制度が適用されます。
高額療養費制度はひと月の医療費の自己負担額が所定の金額(自己負担限度額)を超えたときに、その超過分が保険から支払われる制度です。
今回の例でいえば、先ほどの30万円の自己負担額のうち、高額療養費制度の自己負担限度額を超えた部分に関しては保険から支払われるということになります。
自己負担限度額は69歳以下の一般の方の場合、
その計算方法は

80,100円 + (医療費総額-267,000円) × 1%

自己負担額=87,430円

よって、医療費総額は100万円なので、自己負担限度額は87,430円となります。つまり、自己負担額の30万円のうち、212,570円は高額療養費制度でカバーできるということになるんですね。

申請方法

申請方法は2つのパターンに分かれます。
①事後に手続きをする方法(高額療養費を支給申請する場合)
②事前に手続きをする方法(「限度額適用認定証」を利用する場合)

①事後に手続きをする方法(高額療養費を支給申請する場合)

最初に医療機関の窓口で健康保険の自己負担割合に応じた医療費を支払います。もしも、その自己負担額が高額療養費制度で定められている所定の金額(自己負担限度額)を超えていた場合、加入している公的医療保険の運営主体者である保険者(全国健康保険協会=協会けんぽ、○○健康保険組合など)に問い合わせをして高額療養費の支給申請を行います。その後、保険者から自己負担限度額を超えた部分が払い戻しされます。

この方法で注意したいのは、最終的には自己負担する医療費は高額療養費制度で定められた自己負担限度額に抑えられるものの、個人が一時的に医療費を立て替えなければならないところです。高額な治療を受けたり、入院が長引いたりした場合、家計を圧迫する恐れがあります。その点には気を付けましょう。

②事前に手続きをする方法(限度額適用認定証を利用する場合)

窓口支払いの前に保険者に申請して「限度額適用認定証」を取得します。医療機関の窓口支払いの時点で、この限度額適用認定証を掲示し、健康保険の自己負担割合に応じた医療費ではなく、高額療養制度の自己負担限度額のみを支払う流れです。
この場合、個人に自己負担限度額を超える医療費の立て替えの負担がかからないです。

高額療養費制度で気をつけるポイント

「先進医療」にかかる費用は高額療養費制度の対象外になりますので気をつけないといけません。

「先進医療」は、高度な医療技術を用いた治療のうち、厚生労働大臣から承認を受けた医療方法です。
(ガン治療の重粒子線治療などは先進医療に該当します)

実は先進医療は保険診療外の医療行為に該当し、公的医療保険の適用にならないため、それを受けた場合の費用(技術料)は全額自己負担となってしまいます。

先進医療を実施している医療機関の一覧 厚生労働省HP参照
https://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/isei/sensiniryo/kikan02.html

佐賀県でいうと鳥栖にある九州国際重粒子線がん治療センターは先進医療の医療機関になります。

お問い合わせ先

高額療養費のお問い合わせ先は、どの医療保険制度に加入しているかで変わります。
お持ちの被保険者証でご確認できますので参考にされて下さい。

  • 被保険者証に、「○○健康保険組合」、「全国健康保険協会」、「○○共済組合」と書かれている方
    → 記載されている保険者までお問い合わせ下さい。
  • 被保険者証に、「○○国民健康保険組合」と書かれている方
    → 記載されている国民健康保険組合までお問い合わせ下さい。
  • 被保険者証に、市区町村名が書かれている方
    → 記載されている市区町村の国民健康保険の窓口までお問い合わせ下さい。
  • 被保険者証に、「○○後期高齢者医療広域連合」と書かれている方
    → 記載されている後期高齢者医療広域連合までお問い合わせ下さい。

【ラジオコーナー】
えびすFM
隔週木曜11:30-「おさいふ横丁」
*場合により、金曜などに変更になる場合がございます。
https://www.ebisufm.com/receive/index.html

FPソライチ
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